梅雨を彩る青の絶景:キャンピングカーで巡る中国・四国のアジサイ名所旅
梅雨の季節、しっとりと雨に濡れるアジサイの姿は格別の美しさを放ちます。中国・四国地方には、広大な敷地に数多くの種類のアジサイが咲き誇る名所が点在しており、キャンピングカーや車中泊での旅行にぴったりです。道路沿いに咲くアジサイを眺めながらのドライブや、駐車場から直接アジサイ観賞ができる寺社仏閣など、移動の自由さを活かした旅プランが可能です。今回は、中国・四国エリアで車旅に最適なアジサイの名所をピックアップし、その魅力をご紹介します。
【島根】3万株の青に包まれる山陰の宝石:月照寺
松江藩松平家の菩提寺である月照寺は、「山陰のあじさい寺」として広く知られています。境内全域が国指定の史跡となっており、約3万株ものアジサイが咲き誇ります。特に青色の花が多く、周囲の厳かな雰囲気と相まって圧巻の景色を作り出します。

車旅のポイント:広い駐車場があり、キャンピングカーでも安心してアクセスできます。松江市内からのアクセスも良好で、松江城や宍道湖周辺の観光と組み合わせるのもおすすめです。開花状況は公式サイトで確認できるため、旅のプランニングがしやすいのも嬉しいポイントです。
【岡山】歴史と花の共演:吉備津神社の回廊アジサイ
岡山市にある吉備津神社は、国宝である本殿の裏手から続く360mの回廊の途中から岩山宮へ向かう参道の両側には、約1,500株の色とりどりのアジサイが咲き誇ります。美しい回廊とアジサイのコントラストは、歴史的な建造物と自然の美しさが調和した、他に類を見ない景観を作り出しています。

車旅のポイント:参拝者用の無料駐車場が完備されており、アクセスが便利です。神社周辺は自然豊かな環境で、車中泊スポットも近隣にあります。岡山市内から約30分というアクセスの良さも、ドライブ旅行には魅力的です。
【広島】日本庭園を彩る1万株の花園:三景園
広島空港の開港を記念して造られた広さ約6ヘクタールの日本庭園。三景園の園内には、山、里、海をテーマにしたゾーンがあり、約100種類、1万株ものアジサイが咲き誇ります。特に、多種多様なアジサイが一堂に会する様子は、それぞれの品種の美しさを際立たせ、訪れる人々を魅了します。庭園のテーマに沿って植栽されたアジサイは、背景となる景色と調和し、より一層その美しさを引き立てます。

車旅のポイント:広島空港近くという立地で、駐車場も広々としており、大型車でも駐車しやすいのが特徴です。園内は起伏があるものの、ゆったりとした散策路があり、アジサイ観賞に適しています。近隣には道の駅もあり、車中泊の拠点としても便利です。
【広島】地域に愛される3,000株のアジサイ寺:神宮寺
府中市にある神宮寺は、「あじさい寺」として知られる神宮寺には、約80種類、3,000株のアジサイが境内を埋め尽くすように咲き誇ります。例年6月初旬から末頃まで「あじさい祭り」が開催され、期間中にはアジサイの苗木の無料配布などが行われることもあります。地域の人々に愛されるこの寺は、アジサイを通じて季節の移ろいを感じさせてくれます。

車旅のポイント:参拝者用の駐車場が用意されており、近隣の観光スポットへのアクセスも良好です。車中泊の場合は、近くの道の駅「びんご府中」を利用するのがおすすめ。車窓からの風景も美しく、ドライブ旅行者には特におすすめのスポットです。
【香川】瀬戸内海と紫陽花の絶景:紫雲出山
紫雲出山は春は桜の名所として知られていますが、実はアジサイも有名です。6月中頃から7月にかけて約2,000株のアジサイが見頃を迎え、「紫陽花ロード」と呼ばれる歩道や、山頂からの瀬戸内海とアジサイのコラボレーションは絶景です。

車旅のポイント:山頂まで車で行くことができ、展望台からの景色は圧巻です。駐車場からすぐに紫陽花ロードがあり、効率よくアジサイ観賞ができます。晴れた日には、瀬戸内海の島々を一望でき、写真スポットとしても最高です。夜間は星空観察にも適しており、車中泊での夜景も楽しめます。
【岡山】普門寺ブルーが彩る山寺:普門寺
真庭市にある普門寺は、四季折々の花を楽しめる山寺として知られ、初夏には約30種類、3,000株のアジサイが咲き誇ります。特に「普門寺ブルー」と呼ばれる鮮やかな青色の花が魅力です。周辺の茅葺き屋根との景観は、日本の原風景を思わせる趣があります。赤い土壌がアジサイの青色を濃くすると言われています。

車旅のポイント:山間にあるため、アクセスには少し時間がかかりますが、その分静かな環境でアジサイを楽しめます。駐車場は寺の手前にあり、そこからゆっくり歩きながらアジサイを観賞できます。近隣には蒜山高原もあり、車中泊スポットとしても充実しています。
【島根】日本海とアジサイのコラボレーション:美保関あじさいロード
美保関町の七類から法田間の美保関林道沿い約1.5kmは、「あじさいロード」として知られています。地元の方がボランティア活動の一環として植え、手入れを行っているアジサイが、日本海を背景に咲き誇ります。海とアジサイのコラボレーションを楽しめる、この時期ならではの絶景スポットです。

車旅のポイント:林道沿いのため、車でゆっくりと進みながらアジサイを観賞できるのが魅力です。途中には展望スポットもあり、車を停めて景色を楽しめます。美保関灯台や美保神社など観光スポットも多く、車中泊には美保関温泉などの施設も利用可能で、海の幸も楽しめる一石二鳥の場所です。
【高知】19,000株が彩る1.2kmの花回廊:野市あじさい街道
野市町西佐古から父養寺までの1.2kmの土手一面に、20~25種類、約19,000株のアジサイが咲き誇ります。春には桜が咲き誇り、花のトンネルとなります。アジサイの見頃には「あじさいのいち」が開催され、地元の商品などが販売されます。

車旅のポイント:街道沿いに駐車スペースがあり、歩いてアジサイを楽しむことができます。周辺は田園風景が広がり、のどかな雰囲気の中でアジサイ観賞ができます。高知市内からもアクセスしやすく、車中泊には近隣の道の駅がおすすめです。地元の市場ではアジサイにちなんだ特産品も販売されています。
【徳島】標高1,000mの青い高原:大川原高原
標高約1,020mの高原一面に、約3万本の青いアジサイが咲き誇ります。土壌の酸性度が高いため、青色の花になりやすいのが特徴です。毎年7月初旬には「あじさいまつり」が開催され、阿波踊りなどのイベントも楽しめます。

車旅のポイント:高原までは山道を上りますが、頂上には広い駐車場があります。標高が高いため、平地より気温が低く、真夏でも比較的涼しく過ごせます。車中泊にも最適で、夜には満天の星空を楽しめることも。早朝の霧に包まれたアジサイも幻想的で、早起きして訪れる価値があります。
キャンピングカーで巡るアジサイ旅行のメリットとプランニング
キャンピングカーや車中泊で巡るアジサイ旅行には、多くのメリットがあります。まず、移動の自由度が高く、複数の名所を効率よく回れることが挙げられます。また、アジサイの見頃は6月上旬から7月中旬と比較的長期にわたるため、じっくりと時間をかけて各地を巡ることができます。
中国・四国地方は道の駅も充実しており、車中泊スポットに困ることはありません。特に梅雨の時期は、天候の変化にも対応しやすいのが車旅の魅力です。雨の日はアジサイがより鮮やかに見える日でもあるため、雨を楽しむ余裕も生まれます。
アジサイ巡りのプランニングでは、開花状況をこまめにチェックすることが大切です。各スポットの公式サイトやSNSで情報を集め、天候や交通状況も考慮して柔軟なプランを立てましょう。特に山間部や高原のアジサイは、標高によって見頃の時期が異なるため、うまく組み合わせれば長期間にわたってアジサイ観賞が楽しめます。
中国・四国地方のアジサイ名所を車で巡る旅は、梅雨の季節を彩る特別な体験となるでしょう。青く染まる風景の中、自分だけの旅路を見つけてみませんか?
