自由気ままに、秋色に染まる関東を旅する
秋の深まりとともに、関東の郊外・山間部は燃えるような紅葉に彩られます。2025年の紅葉シーズンは10月下旬から12月上旬にかけて、標高差によって徐々に色づきが進みます。今年はキャンピングカーで、自分のペースで紅葉名所を巡ってみませんか。
キャンピングカーでの紅葉狩りには特別な魅力があります。時間に縛られず早朝の霧に包まれた渓谷や、夕暮れの湖面に映る錦繍を心ゆくまで楽しめること。道の駅やRVパークで車中泊すれば、翌朝すぐに次のスポットへ移動できます。車内で温かいコーヒーを淹れながら、窓越しに広がる紅葉を眺める贅沢な時間は、キャンピングカーならではの体験です。
本記事では、東京・神奈川・千葉・埼玉の郊外・山間部から、キャンピングカーでアクセスしやすい8つの紅葉名所をご紹介します。各スポットの駐車場情報や道路状況、見どころを詳しく解説しますので、ぜひ旅の計画にお役立てください。
🍁 2025年 関東紅葉スポット見頃カレンダー
下旬
第1週
第2週
第3週
第4週
第1週
第2週
🚐 キャンピングカー活用のポイント
早朝撮影が自由自在
前夜から現地待機で、混雑を避けた静謐な紅葉撮影が可能
星空×紅葉のW体験
鶴姫公園など光害の少ない山上で天体観測も楽しめる
温泉後もゆったり
日帰り温泉で癒された後、移動の心配なく車内で休める
紅葉前線を追う
10月中旬〜12月上旬まで、見頃に合わせて柔軟に移動可能
【千葉県】房総の奥座敷で晩秋の彩りを堪能
粟又の滝と渓谷美が織りなす絶景「養老渓谷」
房総随一の紅葉名所として知られる養老渓谷は、11月下旬から12月上旬が見頃のピークを迎えます。養老川沿いに約3kmにわたって続く渓谷には、モミジ、ウルシ、ナラなど多様な広葉樹が茂り、赤・黄・橙のグラデーションが渓流を彩ります。

最大の見どころは、全長100mにわたる「粟又の滝」。なだらかに流れ落ちる滝と紅葉のコラボレーションは、まさに絵画のような美しさです。滝の展望台からは、紅葉に包まれた滝全体を一望でき、絶好の撮影スポットとなっています。例年11月下旬から12月上旬の夜間には、中瀬遊歩道や老川十字路周辺でライトアップが実施され、幻想的な夜の紅葉を楽しめます。

キャンピングカーでのアクセスは、首都圏中央連絡自動車道・市原鶴舞ICから約30分。粟又の滝駐車場(有料・約500円)には普通車だけでなく、中型車まで駐車可能なスペースがあります。渓谷沿いには養老渓谷温泉郷が点在し、日帰り入浴施設も充実。紅葉狩りの後、温泉で疲れを癒すのもおすすめです。周辺では野鳥のさえずりが響き、運が良ければ房総丘陵に生息するニホンザルの姿を遠目に見かけることもあります。
もみじロードを走る贅沢「亀山湖」
関東で最も紅葉の時期が遅いとされる亀山湖は、11月中旬から12月上旬、さらに地蔵堂付近では12月中旬まで紅葉が楽しめる貴重なスポットです。人造湖ならではの複雑な入り江に、モミジ、イチョウ、クヌギ、メタセコイアなどが赤・黄・緑のパッチワーク模様を描きます。

湖の南北に延びる県道182号は、通称「もみじロード」と呼ばれ、約10kmにわたって約1000本ものモミジがトンネル状に色づきます。キャンピングカーで走れば、車窓から錦秋のトンネルを満喫できる絶好のドライブルートです。湖畔の水天宮公園にある東屋からは湖を一望でき、湖面に浮かぶ赤い鳥居が写真映えするフォトスポットとして人気です。
館山自動車道・君津ICから約40分でアクセス可能。亀山湖周辺には無料駐車場が多数あり、キャンピングカーでも安心して停められます。紅葉シーズン中は「亀山オータムフェスティバル」が開催され、遊覧ボートでの360度紅葉クルーズも楽しめます。湖面には水鳥が訪れ、周囲の森では野鳥の観察も。房総丘陵特有のニホンザルが近隣山中に暮らしており、人里に現れることもあるそうです。
【埼玉県】秩父の渓谷と武蔵の小京都
岩畳と紅葉の競演「長瀞渓谷」
荒川沿いに広がる長瀞渓谷は、関東有数の紅葉名所として11月上旬から色づき始め、11月中旬から下旬がピークとなります。最大の特徴は、国の天然記念物に指定された「岩畳」と呼ばれる川岸の岩盤。この白い岩盤とカエデ、モミジ、クヌギ、ナラなどの紅葉が織りなすコントラストは息を呑む美しさです。

川下りの舟から眺める紅葉も人気で、水上から見上げる渓谷美は格別です。徒歩での散策なら、岩畳遊歩道を歩きながら川面に映る紅葉を楽しめます。夜は月の石もみじ公園でライトアップが実施され、闇に浮かび上がる紅葉が幻想的な雰囲気を醸し出します。

関越自動車道・花園ICから約25分。長瀞町内には無料駐車場や市営駐車場が多数あり、比較的大きなキャンピングカーでも駐車しやすい環境です。紅葉シーズン中は「長瀞紅葉まつり」が11月いっぱい開催され、地元グルメの屋台や特産品販売も楽しめます。渓谷にはカワセミなどの野鳥が生息し、周囲の山林にはニホンザルやシカも暮らしていますが、人前に現れることは稀です。早朝の散策では、運が良ければ野生動物との静かな出会いがあるかもしれません。
飛び石渡る秘境の美「嵐山渓谷」
都心から近い比企丘陵にある嵐山渓谷は、「武蔵の小京都」と称えられる静かな紅葉スポットです。11月中旬から12月上旬にかけて、槻川沿いに広がる岩畳と清流、そしてモミジやムラサキシキブなどの木々が織りなす景観が見事に色づきます。

この渓谷の魅力は、整備された遊歩道で水辺に近づけること。飛び石を渡りながら水面に映る紅葉を間近で楽しめる散策路や、展望台からのパノラマビューなど、多様な角度から紅葉を鑑賞できます。11月中旬から12月上旬には「嵐山渓谷紅葉まつり」が開催され、ライトアップやイベントも行われ、昼夜で異なる表情を見せてくれます。

関越自動車道・東松山ICから約20分。渓谷入口付近の町営駐車場は有料ですが、キャンピングカーも駐車可能です。ただし散策路は足元が不安定な箇所もあるため、歩きやすい靴での訪問をおすすめします。川辺ではカワセミなど野鳥が観察でき、周囲の雑木林にはリスやムササビも生息。静寂な早朝なら、野生動物との遭遇チャンスも高まります。
【東京都】奥多摩の雄大な自然に包まれて
湖面に映る錦秋のパノラマ「奥多摩湖」
都内屈指の紅葉名所である奥多摩湖では、11月上旬から下旬にかけて周囲の山々が赤や黄色に染まり、その景色が湖面に映り込んで神秘的な雰囲気を醸し出します。カエデ、コナラ、イチョウ、ウルシ、ケヤキなど多様な広葉樹が彩る紅葉は、標高差によって時期をずらしながら山を下ってきます。

奥多摩周遊道路をキャンピングカーでドライブしながらの紅葉鑑賞も人気です。中でも月夜見第一駐車場は奥多摩随一の絶景ビューポイント。ここからは湖全体を見渡せ、対岸の山々の紅葉と湖面の青のコントラストが見事です。湖面に架かる浮橋(麦山の浮橋・留浦の浮橋)の上を歩けば、まるで水上に浮かぶ紅葉の中を歩いているような不思議な感覚を味わえます。

中央道・八王子ICから青梅街道経由で約2時間。湖畔周辺には無料駐車場が多数あり、キャンピングカーでも問題なく駐車できます。奥多摩の山林にはニホンザルやシカが生息し、早朝や夕方に道路脇に姿を見せることも。湖畔ではカモ類の水鳥やワシ・タカ類の野鳥観察も可能です。浮橋(ドラム缶橋)は揺れるため、歩行時は注意が必要です。
原生林に囲まれた名瀑「払沢の滝」
東京とは思えない原生林に囲まれた払沢の滝は、落差60mの名瀑で「日本の滝百選」に都内で唯一選定されています。11月中旬から下旬にかけて、滝周辺のモミジやカツラが色づき、清冽な滝壺とのコントラストが見事な景観を作り出します。

秋川沿いの遊歩道をハイキングしながら渓谷の紅葉を満喫するのがおすすめのルート。片道約20分の遊歩道は比較的歩きやすく整備されており、途中で渓流のせせらぎや野鳥のさえずりを楽しめます。滝に到着すると、マイナスイオンたっぷりの空気と、苔むした岩肌に映える紅葉が疲れを癒してくれます。
中央道・八王子ICから秋川街道経由で約1時間20分。滝入口の駐車場は28台程度と小規模ですが、キャンピングカーサイズでも数台は駐車可能です。ただし紅葉シーズンは朝早くから満車になることも多いため、早朝到着がベストです。滝周辺の森にはサルやシカも生息しますが、日中に姿を現すのは稀。せせらぎではカジカガエルの鳴き声が聞こえ、渓流にはヤマメなどが泳いでいます。檜原村には道の駅や日帰り温泉施設もあり、紅葉狩りと温泉をセットで楽しめます。
【神奈川県】箱根と丹沢の絶景を巡る
富士山と紅葉の競演「芦ノ湖」
富士山と紅葉を同時に望める関東屈指の絶景エリア、芦ノ湖。標高723mの湖畔周辺から色づき始める紅葉は、箱根地域で最も早く、例年10月中旬に色付き、11月上旬にピークを迎えます。モミジ、カエデ、ミズナラ、ブナ、カラマツなど多様な樹種が織りなす錦繍は、箱根外輪山の雄大な景観と相まって圧巻です。

湖畔の元箱根や恩賜公園では、晴天時に芦ノ湖越しに富士山と紅葉の絶景が望めます。この「逆さ富士」と紅葉のコラボレーションは、多くのカメラマンが訪れる人気撮影スポットです。観光遊覧船(海賊船)に乗れば、湖上から周囲の山々の錦繍を360度眺められ、駒ヶ岳山頂からは箱根全体の紅葉パノラマを一望できます。

東名高速・厚木ICから小田原厚木道路~国道1号経由で約1時間。芦ノ湖周辺には有料駐車場が多数ありますが、紅葉期の休日は渋滞するため、早朝5〜6時台の到着がおすすめです。箱根周辺ではシカの生息密度が高く、夕方以降に道路に出没することがあるため、運転には注意が必要です。また、湖にはカモや白鳥など水鳥が訪れ、森ではリスやニホンザルも目撃されています。箱根には温泉施設やRVパークも充実しているため、車中泊拠点としても最適です。
ダム湖と紅葉の新名所「宮ヶ瀬湖」
2000年に完成した宮ヶ瀬ダムによってできた人造湖、宮ヶ瀬湖は、近年新たな紅葉名所として注目を集めています。11月中旬から下旬にかけて、周囲を深い緑に囲まれた湖畔が美しく色づきます。かつて「関東の耶馬渓」と称された中津渓谷の面影を残し、秋には広葉樹が鮮やかな彩りを見せます。

湖畔には「県立あいかわ公園」や「鳥居原ふれあいの館」など観光施設が整備され、ロードトレインや遊覧船から紅葉を楽しむこともできます。ダム直下の放水は毎週水曜・第2日曜・第2・4金曜日に実施され、高さ70mから落ちる水しぶきと紅葉のコラボも迫力満点です。湖畔の斜面に植えられたドウダンツツジの真紅も見事で、モミジやイタヤカエデ、コナラなど多様な樹種とのグラデーションが楽しめます。

圏央道・圏央厚木ICから約30分。ダム周辺の宮ヶ瀬湖畔園地などに無料駐車場があり、キャンピングカーでも安心して駐車できます。湖周辺の森林にはタヌキやキツネが生息し、渡り鳥のオシドリなどが飛来することも。夜間、道路でシカに遭遇する例もあるため、日没後の運転は特に注意してください。例年11月下旬からは巨大クリスマスツリー点灯など冬イベントも開催され、紅葉と合わせて楽しめます。
✓ 高さ・サイズ制限を事前確認
✓ 道の駅やRVパークを活用
✓ 狭路・山道は要注意
✓ 奥多摩・箱根は特に慎重運転を
✓ 夕方以降は活動時間帯
✓ 運転時は動物の飛び出しに注意
✓ 指定散策路を歩く
✓ 自然保護の心を持つ
キャンピングカーならではの5つのメリット
1. 時間に縛られない自由な旅程 一般的な日帰り旅行では、渋滞を避けるために早朝出発し、夕方には帰路につく必要があります。しかしキャンピングカーなら、道の駅やRVパークで前泊し、朝日とともに紅葉を楽しむことができます。人気スポットでも混雑前の静寂な時間帯に訪れられるのは、大きなアドバンテージです。
2. 移動そのものが宿泊施設 ホテルや旅館の予約に縛られることなく、その日の気分や天候に合わせて柔軟にルート変更が可能です。「今日は天気が良いから、もう一箇所寄ってみよう」という自由な旅が実現します。車中泊できる場所さえ確保すれば、旅のスケジュールは無限に広がります。
3. プライベート空間でリラックス 紅葉狩りで歩き疲れたら、すぐに車内でくつろげます。温かいコーヒーを淹れたり、持参したお弁当を食べたり。自分だけのプライベート空間があることで、観光地の混雑に疲弊することなく、マイペースに旅を楽しめます。
4. 荷物の心配不要 カメラ機材や防寒着、お土産など、通常の旅行では荷物の量が気になりますが、キャンピングカーならその心配はありません。三脚や望遠レンズなど、撮影機材をフル装備で持ち込めるのも、紅葉撮影を趣味とする方には大きなメリットです。
5. 天候変化にも柔軟対応 山間部の天気は変わりやすいもの。突然の雨に見舞われても、車内で雨宿りしながら次のスポットへの移動計画を練り直せます。また、早朝の霧や雲海など、天候による幻想的な紅葉景観に出会えるチャンスも増えます。
🍁 関東秋の紅葉キャンピングカー旅 よくある質問
キャンピングカーで快適な紅葉狩りを楽しむために
旅を通じて深まる自然への理解
今回ご紹介した8つのスポットには、それぞれ異なる魅力がありました。養老渓谷の渓谷美、芦ノ湖の富士山と紅葉の競演、奥多摩湖の静寂な湖面に映る錦秋。これらの景観は、長い年月をかけて育まれた自然の賜物です。
紅葉狩りを通じて、私たちは季節の移ろいを肌で感じ、自然の循環を実感します。シカやサル、リスなどの野生動物との出会いは、この地域が豊かな生態系に支えられていることを教えてくれます。
キャンピングカーでの旅は、単なる観光以上のものをもたらしてくれます。早朝の森の空気、夜の星空、野鳥のさえずり。車中泊することで、24時間自然と向き合い、その息吹を感じ取ることができるのです。
さあ、秋の旅へ出かけよう
2025年の紅葉シーズンは、10月下旬から12月上旬までと比較的長期間楽しめます。標高差によって色づく時期が異なるため、本記事でご紹介した見頃カレンダーを参考に、複数のスポットを巡る周遊ルートを計画してみてください。
キャンピングカーという自由な翼があれば、関東の紅葉スポットは驚くほど近くに感じられるはずです。朝霧に包まれた渓谷、夕日に染まる湖面、星空の下で飲む一杯のコーヒー。時間に縛られない旅だからこそ出会える、特別な瞬間があなたを待っています。
さあ、エンジンをかけて、秋色に染まる関東の山々へ。心に残る紅葉の思い出を、キャンピングカーと一緒に作りに行きましょう。



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